202101

大阪青山大学 健康科学部看護学科
横田 香世

大阪府立大学大学院看護学研究科慢性CNSコース修了後、社会医療法人生長会ベルランド総合病院、関西電力病院において慢性疾患看護専門看護師として勤務。その後、阪南市民病院において看護部長として勤務。在職中に大阪医科大学大学院博士課程修了、博士(看護学)を取得し現職。専門分野は慢性看護学、看護管理学。

臨床にスムーズに移行できる教育をめざして

 臨床において、慢性疾患看護専門看護師として10年間活動してきました。専門看護師には6つの役割があります。「実践」では3つの病院に勤務し、それぞれの病院で看護専門外来を立ち上げ、認定看護師や看護スタッフとともに看護の質を上げるための活動をしました。「調整」では、特に困難事例に関して病棟と外来および在宅で継続してケアができるように多職種との調整を行いました。「コンサルテーション(相談)」においては、慢性疾患患者のケアについて病院内外の看護師の相談を受け、問題解決できるように支援しました。「教育」に関しては、患者・家族に糖尿病、生活習慣病の合併症予防教育に努め、地域においては行政や地域包括ケアセンターと連携して出前講座を行い生活習慣病の予防に努めました。「倫理」に関しては、関西臨床倫理研究会に属し、倫理研修の企画・運営に携わってきました。また、病院内の倫理教育を担当し、困難事例の倫理調整を行ってきました。「研究」においては、「セルフフットケア教育プログラムの開発」や「糖尿病とがんを併せ持つ患者の療養に関する研究」を継続して行っています。
 これまでの長年の臨床経験を活かし、学生がスムーズに臨床に移行できるような教育をめざし、2019年4月より、教員になりました。本学では、看護管理学、医療安全管理論、チーム医療論、看護倫理、統合実習を担当しています。2020年度は、成人看護学援助論の一部も担当しました。
 2020年度は、新型コロナウイルス感染症(以下コロナ)の影響で、学内での授業が遠隔授業となり、学生の反応が十分見えない中で授業の内容を工夫し、対応をしてきました。6月末から2週間の統合実習が予定されていましたが、学生や保護者からのコロナ感染への不安の訴えがあったため、実習病院と調整し、管理実習を6施設で1週間受け入れていただき、多重課題は学内で対応しました。臨地実習の前にコロナ感染対策について講義を行い、実習病院での感染対策の現状や対策について看護部長をはじめ、医療安全管理者からの説明を受けました。各部署の看護師長や指導者からは、各部署の感染対策、医療安全対策、看護マネジメント、看護ケアの管理、チーム医療、多職種との連携、地域連携、キャリアラダーの仕組み、管理業務等について丁寧に説明を受け、授業で学習した内容や事前学習した内容と関連付けることができました。学内実習となった多重課題は、事前に実習担当の教員と2事例を作成し、個人でのワークに加えて、グループでの学習も取り入れ、看護上の問題、看護計画、優先順位の判断、評価をグループで話し合いながら進めました。統合実習最終報告会では、全体での報告会は「3密」をさけ、各グループで学んだことを、ワールドカフェ形式を用いて、各グループのリーダーが6施設のそれぞれのグループを回りながら学んだことを説明し、また質疑応答を重ね、最終は自分のグループで学んだことを報告し合いました。結果、臨地実習は「1週間であったが、病院で実習できてよかった。」「想像していたことと病院の実際は違っていた。体験できてよかった。」と学生の反応が聞けました。引率の教員からは、「個人では気づけないことも、グループで話し合うことにより気づきを深めることができ、達成感があった。教員もじっくりかかわることができた。」という意見が聞かれた。
 2020年度は、コロナの影響で学習環境が十分に整っていない中で、教員のチーム力と学生の努力で乗り切ったように思います。教育は教員と学生間で「共に学ぶ」ことではないかと思います。新人教員ではありますが、困難な状況においても、学生とともに成長してきたいと思います。

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