202204

助産学専攻科の学生および教員たちと。
上段右側が上原先生です。

清泉女学院大学 看護学部看護学科・助産学専攻科
上原 明子

立命館大学(法学士)卒業後、大阪府立大学(看護学士)を経て、佐久市立国保浅間総合病院にて助産師として勤務。佐久大学看護学部・別科助産専攻を経て、現職。佐久大学大学院修士課程(看護学)修了、現在山梨大学大学院医工農学総合教育部博士課程ヒューマンヘルスケア学専攻に在籍中。

省察するプロフェッショナルを育成する

 Donald A.Schon(2007)は、「状況との対話」と「行為の中の省察」を通じたプロフェッショナルの発達を「省察的実践家」として定義づけています。複雑で不安定な臨床現場に送り出すために、看護職の基礎教育で何を養う必要があるのか-この問いに対して、Schonのいう「省察的実践家」の育成は1つの解になると考えています。そこで、筆者の担当する科目では、自己省察をするための学習装置を多く取り入れ、内省を促す工夫を行っています。

 看護学部では、主として、母性看護学演習を担当しています。思考と実践を統合していくために、シミュレーション学習(※下の写真)を取り入れていますが、特に重要視しているのが、デブリーフィングの時間です。デブリーフィングとは、一連の思考や行動を振り返ることを指します。この時間は、教員は学生に対して、学習目標に基づいた問いかけを行います。デブリーフィングにおいて、教員が講義をすることはありません。学生が自ら気づき、行動変容してくための意図的な問いかけは非常に難しいですが、学生が変化し、成長する様をみることができると、やりがいを感じます。

 また、助産学専攻科においては、シミュレーション学習はもちろんですが、少人数制である教育体制の強みを活かして、様々な学習活動において、省察する力を高めるための関わりを重視しています。レポート作成やプレゼンテーション課題などにおいても、「やってみてどうだったか。次どのようにすれば、よりよくなるか」といったリフレクションペーパーを用意しています。思考の中に、振り返るというクセをつけることで、直面したことのない事象に遭遇した場合にも、打破していける力を養いたいと考えています。

 これらの教授活動の基盤には、自らの研究テーマである「助産師のコンピテンシー」の探究があります。助産師のコンピテンシーとは何か、助産師のコンピテンシーを獲得していくためにどのような学習環境が寄与できるのか。そういった疑問から現在大学院博士課程で研究を続けています。教育に研究成果を還元しながら、看護職の育成に携わることを通じて、女性やこどもの安全と安楽に貢献していきたいと考えています。

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