DXTOOL

2025年5月10日
DXコンテンツ, DX教材:活用方法

CG(コンピュータグラフィックス)の活用について 導入編

聖隷クリストファー大学の小池です。前回の「CG(コンピュータグラフィックス)の活用について 基礎編」に引き続き、今回は具体的な導入方法などについてご紹介させていただきます。

▶CGで何ができるの?

今回使用しているCGは「Twinmotion」というソフトを使用して製作しています。この「Twinmotion」は教職員であれば無料で資料でき、そうでない場合でも商用目的でなければ基本的に無料で試行することができます。ただ、グラフィック関連の制作は、ある程度のパソコンの性能も求められてきますので、できたら最新のパソコンで(可能であればGCUが高性能なもの)チャレンジしてみるとよいでしょう。今回、制作するCGについては、あくまでも閲覧専用であり、たとえばテレビゲームのようにCGの中のキャラクターを操作したりする、いわゆるインターラクティヴ性のあるCGは制作できません。インターラクティヴ性のあるCGの制作方法についてはまた機会があれば、ぜひ解説をしたいと思います。(看護教育には、インターラクティヴ性のあるCG教材が向いていると考えており、現在、開発中です)

▶具体的なCGの製作方法

それでは具体的にCG製作の過程を解説します。
①パソコンを準備して、「Twinmotion」をダウンロードする。
②「Twinmotion」の動作に慣れるため、基本のパーツでいろいろな風景を製作してみてください。
③医療関連の設備などのアセット(CGのパーツのこと)は他のCG関連ソフト経由で準備が必要です。アセットは無料のものもありますが、医療系のアセットはおおよそ有料です。(それでも数千円くらいで入手可能です。)アセットはいろいろなCGソフトのものがありますが、今回は「DAZ3D」というソフトのアセットを活用します。
④アセットをFBXデータとして「Twinmotion」にインポートします。そしてキャラクターを配置していきます。ある程度構図が決まったら、そのCGシーンを動画として保存します。これでCGの完成です。

▶今後のCGによる看護の表現の可能性

 様々な看護のシチュエーションをCGで表現することで、よりリアルな映像による体験が可能です。さらなる工夫を行えば、実写の動画と異なり、インターラクティヴ性を備えたより臨場感のあるコンテンツを製作することができます。たとえば、CGで製作した模擬患者とのコミュニケーションができるような教材であったり、看護技術が必要な場面をCGで設定して、看護技術の手順を学ぶこともできます。そしてVR(バーチャルリアリティ)の機器を通じて、より没入感のある仮想現実の体験をCGで提供することもできます。

▶そのほかのCGの活用方法について

 本格的にCGを製作するには、ある程度の知識と技術が必要ですが、基本的は、個人でも十分に制作できる環境が整っている時代となりました。今までは、自分自身の看護を表現する方法としては、文章や写真やイラスト、あるいは実写の動画などがありましたが、これからCGを活用することで、本当に自由な「絵」を描くことができます。自分の発想通りの看護の場面を表現することができます。
しかしながら、まだまだCG製作については、個人で製作できるレベルまで敷居が低くなったとはいえ、実際に活用している人数はまだ少数です。ただ、年々、CG製作のための手順がどんどんシンプルになってきています。数年後にはおそらくパワーポイントくらいの簡単な操作でCGが製作できると思います。
使いやすくなってきているCGを、看護教育および現場での新人教育などで、ぜひ活用していけるように、学校や病院または施設に、少し高性能でCGソフトの入ったパソコンが1台あるとよいですね。みんなで楽しくCGを活用したデジタル教材をぜひ製作してみてください。それでも、まだまだ敷居が高いと感じる方もたくさんいらっしゃると思いますので、そのような場合は、筆者宛てにぜひご一報ください(takeshi-k@seirei.ac.jp)。ぜひCGを活用したデジタル教材などを一緒に製作していきましょう。

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