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代表理事挨拶

 1975年に始まった日本看護系大学協議会(JANPU)は、2025年で創立50周年を迎えました。わずか6大学の教員有志から始まった本協議会ですが、現在312課程すべての看護系大学(看護学高等教育機関)が会員となっています。今やわが国の大学の約4割を占めます。
 わが国の看護系大学295校の学部入学定員は約27,000名、修士課程は217大学で入学定員は約3,400名、博士課程は142大学で入学定員は約800名となりました。

 看護学高等教育機関相互の連携と協力によって、看護学教育の充実・発展及び学術研究の水準の向上を図り、もって人々の健康と福祉へ貢献することを目的としています。この目的を達成するために、(1)看護学教育に関する調査研究 (2)看護学教育の質保証・向上 (3)高度実践看護師教育課程の推進 (4)看護学教育に関する政策提言 (5)看護学の社会への啓発活動 (6)看護学関連諸団体並びに国内外の諸機関との相互連携及び協力 (7)その他本法人の目的を達成するために必要な事業を行っています。

 本協議会は、令和5年度文部科学省の先導的大学改革推進委託事業「看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に向けた調査研究」を受託し、コンピテンシー基盤型の看護教育モデル・コア・カリキュラムの改訂案を作成しました。これは文部科学省より「看護学教育モデル・コア・カリキュラム(令和6年度改訂版)(以下、看護学教育コアカリ)」として公表されました。一方で、本協議会では、領域別臨地実習前の看護実践能力評価のためのJANPU-CBT(Computer Based Testing)実証事業を行ってきました。現在、この看護学教育コアカリの【資質・能力】に対応した問題作成支援システムを開発し、領域別臨地実習前に求められる【資質・能力】の到達度のCBTによる評価を2028年度から本格実施することで進めています。2026年度も引き続き、文部科学省委託事業「大学における医療人養成の在り方に関する調査研究」学士課程における看護学教育の質向上に向けた調査研究を受託し、参加型臨地実習やCBT、OSCEについて調査研究を継続しています。

 2025年2月中央教育審議会は「我が国の『知の総和』向上の未来像~高等教育システムの再構築~(答申)」を発出しました。社会情勢の変化、中でも急速な少子化の進展に伴う大学進学者数の大幅な減少、高等教育の地域格差、とりわけ地方の厳しい現状、学修者本位の教育の実現と研究力向上の必要性などを踏まえ、高等教育への「アクセス」を確保しながら、高等教育全体の「規模」の適正化を図り、「教育の質」を高めることで「知の総和」を向上するとしています。このなかで、大学の「新たな認証制度」を創設し、教育の質を段階別に評価することになり、その結果が公表されます。結果によっては大学が縮小・撤退することが示されました。看護系大学は、今まで急速に大学数を増やしてきましたが、今では定員確保が難しい大学もみられるようになりました。この新たな認証評価は、看護系大学においても、大学運営に多大な影響があると考えられ、対応が求められます。本協議会では、各会員校への認証制度等に関する適時的確な情報提供を行うと共に、会員校が直面する課題を把握し、教育の質保証にむけた支援を検討し、必要時国への働きかけを行います。

 看護系大学においては、大学院で実践者教育を行っているところに特徴があります。2024 年度(2025年度実施)「看護系大学に関する実態調査」では、修士課程の研究者コース以外の修了生が46.7%であり、うち高度実践看護師である専門看護師(CNS)やナースプラクティショナー課程の修了生が約19%を占めます。博士課程においても、近年、高度実践者のためのDNPコースを設置する大学が増加傾向にあり、現在6校ですが、今後30校を超える大学が設置を検討しています(2025年度博士課程DNPコースに関する会員校調査)。本協議会では、APNグランドデザインを策定し、APN教育制度改革を進めると共に、他機関との協働のもとでナース・プラクティショナー(仮称)の資格制度化が実現するよう活動していきます。さらに大学院博士後期課程でのDNPコースの設置を推進するための活動を行います。

 看護系大学は、社会情勢の大きな変革の中で、18歳人口減少時代の看護人材の育成について考えるべき新たな局面にあります。各校が直面する課題を把握して対応するだけでなく、わが国の看護人材育成のしくみ自体を考える時が来ているのかもしれません。
 今後、より一層会員校相互が連携・協力し、「看護学教育の質の保証」と充実・発展のための取り組みを推進していくことが求められます。
 会員校の皆様には引き続きお力添え、ご協力賜りたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。

一般社団法人日本看護系大学協議会
代表理事 麻原 きよみ

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